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中国の書法入門:道具と最初の筆づかい、日本の書道との違い
Maca Laoshi, 中国語教師
2026年10月20日更新 · 約8分で読めます
中国の書法、书法(shūfǎ)は、日本の書道にあたる、筆と墨で漢字を書く芸術です。道具は日本と同じ「文房四宝」(文房四宝)で、筆・墨・紙・硯をそろえますが、最初は墨汁や、水で書ける布でも練習できます。書体は楷書(楷书 kǎishū)から始め、永(yǒng)の字で基本の8つの筆づかいを練習します。中国語の勉強に必須ではありませんが、手と目を鍛えるのに役立ちます。
書法とは?勉強のために書くこととのちがい
书法(shūfǎ)は、直訳すると「書く方法」です。漢字を芸術として書くことで、何が書いてあるかだけでなく、どう見えるかも大切にします。日本の「書道」にあたり、ウィキペディアの「書道」には、中国では書法と呼ばれ、初等教育で指導されるとあります。いっぽう、勉強のために手で書くのは目的がちがいます。漢字を見分けて覚えることが目的です。手で書く必要があるかどうかは、中国語は手で書く必要があるかで解説しています。
- 勉強のために書く:ペンや鉛筆を使い、はっきり読めることと、正しい筆順を大切にします。決まりは漢字の筆順にまとめてあります。
- 書法:筆を使い、一画ごとの太さ、筆圧、リズムも練習の対象です。
日本の書道と共通すること、ちがうこと
日本で書道や習字を習った人は、すでに土台があります。道具も書体も同じ名前で通じます。ウィキペディアの「書道」によると、日本では小学校3〜6学年と中学校の授業で毛筆の指導が定められています。ちがいの例も同じ記事にあります。日本では、漢字から生まれた仮名も作品に使い、正座して書くのが通例です。中国の書法では、高い机で立って書く習慣があるとも書かれています。
中国語の勉強で気をつけたいのは字体です。中国大陸のふだんの文字は簡体字で、日本の新字体と形がちがう字があります。くわしくは簡体字と繁体字の違いを読んでください。
道具:文房四宝
伝統的な道具は文房四宝(wénfáng sìbǎo)と呼ばれます。日本語でも同じ「文房四宝」で、硯・筆・紙・墨のことです。
| 道具 | 中国語 | ピンイン |
|---|---|---|
| 筆 | 笔(毛笔) | bǐ(máobǐ) |
| 墨(固形の墨) | 墨 | mò |
| 紙 | 纸 | zhǐ |
| 硯 | 砚 | yàn |
伝統的には、硯の上で水を加えて固形の墨をすります。いまは、初心者向けの手軽な方法もあります。
安く始める方法
- 墨汁(墨汁、mòzhī):そのまま使えて、墨をする手間がありません。伝統的なチュートリアルには、筆の動きが少しやりにくくなることがあるので、硯の上で少し水を混ぜるとよい、とあります。墨をするのは時間がかかりますが、手と手首の器用さが上がる、とも書かれています。
- 水で書く布(水写布、shuǐxiěbù):水を含ませた筆で書き、墨は使いません。線は黒く見えて、乾くと消えるので、くり返し使えます。米字格(米 mǐ)のお手本もあります。清潔に筆づかいの形を練習できますが、紙に墨で書くのとは同じではありません。
- 練習用の紙:毛边纸(máobiānzhǐ)は、書道に使う竹の紙です。チュートリアルでは、宣紙(宣纸)より安い代わりとして練習用に紹介されています。同じチュートリアルは、新聞紙は使わないほうがよいとしています。
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アプリを見る書体と、楷書から始める理由
中国の書法には、五つの主な書体があります。
| 書体 | 中国語 | ピンイン |
|---|---|---|
| 篆書 | 篆书 | zhuànshū |
| 隷書 | 隶书 | lìshū |
| 楷書 | 楷书 | kǎishū |
| 行書 | 行书 | xíngshū |
| 草書 | 草书 | cǎoshū |
楷書は、五つの中でいちばん新しく、7世紀ごろに完成しました。ほとんどの書家が、楷書のお手本を写すことから勉強を始めました。あるチュートリアルは、新しく習う人の大半が選ぶ書体で、習うのはやさしいけれど、画がとても厳格なので極めるのは難しいと説明しています。楷書を読める人には行書も読みやすく、草書は書くのは速くても、慣れていないと読みにくい書体です。
永字八法:永の字に入った8つの筆づかい
永(yǒng、「永遠」の永)の字には、基本の筆づかいが1字にまとまっています。永字八法(yǒng zì bā fǎ)、つまり「永の字の八つの方法」と呼ばれ、日本の書道でも知られています。初心者が練習するのは、少ない画の中に、まったくちがう動きが入っているからです。
8つの名前は、資料によって一致しません(唐代のもの、元代のもの、現代のものがあります)。ここでは、漢典が載せる唐代の名前を使い、永を書く順番に並べました。日本語の読みは、ウィキペディアの「永字八法」にあるものです。
| 番号 | 名前 | ピンイン(日本語の読み) | 意味と動き |
|---|---|---|---|
| 1 | 侧 | cè(ソク) | 「側」:点 |
| 2 | 勒 | lè(ロク) | 「馬の頭にかける革ひも」:横画 |
| 3 | 努 | nǔ(ド) | 「力を込める」:縦画 |
| 4 | 趯 | tì(テキ) | 「跳ねる」:はね |
| 5 | 策 | cè(サク) | 「むち」:右上がりの短い横画 |
| 6 | 掠 | lüè(リャク) | 「かすめる」:左へ長く払う画 |
| 7 | 啄 | zhuó(タク) | 「ついばむ」:左へ短く払う画 |
| 8 | 磔 | zhé(タク) | 「広げる」:右へ長く払う画 |
現代の呼び方(点、横、竖、钩、提、撇、捺など)では対応がちがい、掠と啄を別々に分ける資料もあります。現代の名前の使い方は、漢字の筆順を見てください。
筆の持ち方と練習のしかた
- 筆はまっすぐ:親指と中指ではさみ、人差し指を軸に添えます。チュートリアルは、筆をできるだけ垂直に保つのがいちばん大切な原則だと言っています。
- 初心者の支え:同じチュートリアルは、腕を浮かせずに、ひじを机につけて書くことを勧めています。
- 枠つきの紙:田字格(tiánzìgé)は十字の線で、画の位置を決めるのに役立ちます。米字格(mǐzìgé)はそれに対角線が2本加わり、斜めの画に便利です。資料の一つは、田字格が始めるのに最も簡単で、米字格は斜めの画を整えるときに使うとしています。別のチュートリアルは、練習用の紙に両方を使っています。
- 敷き写し:赤い字の練習帳(描红、miáohóng)を筆でなぞり、手本を見ないで書く前に形を練習します。
- お手本を写す:手本の冊子は字帖(zìtiè)、写すことは临摹(línmó)と言います。临は手本のそばに紙を置いてまねること、摹は手本の上に紙を重ねてなぞることです。
おすすめの始め方は、まず永の8つの筆づかいをゆっくり写し、そのあと、すでに練習した簡単な字(よく使う部首の字など)を書くことです。
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よくある質問
书法とは何ですか?
书法(shūfǎ)は、中国語で書道のことで、漢字を芸術として書くことです。直訳すると「書く方法」です。ウィキペディアの「書道」には、中国では書法と呼ばれ、初等教育で指導されるとあります。
中国の書法を始めるには何が必要ですか?
日本の書道と同じ、文房四宝です。筆(笔)、墨(墨)、紙(纸)、硯(砚)です。始めるときは、墨汁(墨汁)や、水で書く布(水写布)でも練習できます。
どの書体から始めるのがいいですか?
楷書(kǎishū)です。ほとんどの書家は、楷書のお手本を写すことから始めました。
永字八法とは何ですか?
永という1つの字に、基本の8つの筆づかいが入っているとする伝統的な方法です。側(ソク)、勒(ロク)、努(ド)、趯(テキ)、策(サク)、掠(リャク)、啄(タク)、磔(タク)の8つです。
日本の書道と中国の書法はどうちがいますか?
どちらも筆で漢字を書く芸術で、道具も楷書・行書・草書・隷書・篆書という書体も共通しています。ちがいの例として、日本ではひらがななどの仮名も作品になり、書くときは正座が通例であるのに対し、中国では高い机で立って書く習慣があるとウィキペディアにあります。
Maca Laoshiは北京生まれ。22年以上中国語を教え、これまでに1,500人以上の生徒を指導してきました。YouTubeで9万3千人以上の登録者を持つ息子のManu Shiと一緒に、漢字を一つずつ攻略しながら自分を超えていくアプリ「Macalaoshi」を作りました。自分のアプリとこれだけのチャンネルを両方持つ中国語教師は、多くありません。
出典
- ウィキペディア「書道」:書道は書くことで文字の美しさを表す東洋の造形芸術。中国では書法(shūfǎ)と呼ばれ初等教育で指導される。日本では小学校3〜6学年と中学校で毛筆による指導が定められている。文房四宝は硯・筆・紙・墨。日本では正座して書くのが通例で、仮名も用いられる。
- ウィキペディア「永字八法」:側(ソク)、勒(ロク)、努(ド)、趯(テキ)、策(サク)、掠(リャク)、啄(タク)、磔(タク)の8つ。書に必要な技法のうち重要な8種がすべて含まれているということを示す便法。
- Chinese calligraphy:shūfǎは「書く方法」、文房四宝、5つの書体とその歴史、ほとんどの書家が楷書のお手本を写すことから始めたこと、練習としての永の字、筆の持ち方、臨書と敷き写し。
- 永字八法:唐代、李普光、現代の名称があり、資料によってちがう。
- 漢典:永字八法、侧・勒・努・趯・策・掠・啄・磔の8つは楷書の筆づかいの基本的な決まり。
- 漢典:临摹、お手本を見て写すこと。临はお手本のそばに紙を置いて写し、摹はお手本の上に紙を重ねてなぞる。
- 中国書道のチュートリアル(art-virtue.com、2016年):墨汁と墨をすることの比較、毛边纸と九宫格・米字格、最初の書体は楷書、筆の持ち方、敷き写しとお手本の臨書。
- Chinese Calligraphy(shufazitie.net):田字格は中央に2本の線、米字格はそれに2本の対角線を加えたもの。
- Chalk Academy:書道用の水で書く布。墨は使わず、線は消えて、くり返し使える。米字格のお手本がある。
- CC-CEDICT:书法、文房四宝、毛笔、墨汁、砚、楷书、隶书、篆书、行书、草书、字帖、临摹、描红、毛边纸と、8つの筆づかいのピンインと意味。
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